※「ハーフ」という表現に様々な意見がありますし、個人的には娘は「Mixed roots(ミックスルーツ)」という表現の方が合うように思うのですが、ここではハーフと表現します。
私の夫はスペイン語圏(中南米)の出身です。日本に来たのは約10年前。
なんと、そのときの日本渡航が初めての”海外旅行”。修士課程だけ留学して帰国するはずが、ひょんなことから博士過程も取得することになり、そのまま日本で就職しました。
結婚して子供も授かりましたが、私達の課題は「子供の言語、どうする」問題。
私は移住してもいい(してみたい)けど夫は今のところ日本を出るつもりはないし、「海外に住むのは大変だよ。海外で子育て、出来る??」と。
現状と、今後のバイリンガル教育について、スペイン語圏の子供を持つ親の立場で書いてみます。
Contents
1歳9か月現在の状況
子供の環境
母親:日本人。日本語+大学時代に専攻したマイナー言語+英語 ※英語はビジネスレベル程度で自信なし。
父親:中南米人。日本語+スペイン語+英語。
娘:1歳9か月でものすごくしゃべる。二語文・過去形などもあやつる。最初はスペイン語の単語も出ていたが、最近は全て日本語。
環境:保育園含めてオール日本語
私の考え:女の子にとって日本は生きやすい国ではない。まして、たった10年後の2030年には人口の30パーセント以上が高齢者になると予測されており、20,30年後の日本は若者にとって負担の大きい国なのでは。必要とあらば、日本語より英語orスペイン語をメインで習得してほしい。
夫の考え:スペイン語は出来るようになってほしい。
・・・が、夫本人は「英語はテレビを見て覚えた」という特殊な能力の持ち主なのであまりシリアスに考えておらず、子供にも日本語>英語>スペイン語の順位で話しかけています。
※因みに、夫は3人兄弟の真ん中で、3人とも同じ親から生まれ、同じ家で育ち、幼稚園~高校まで同じ学校に通いました。が、お兄さんは英語が全く話せず、夫はネイティブレベル、弟は英語は話せるけどスペイン語アクセント強め、とバラバラなのが嫁として興味深い。言語には本人の向き不向きや資質もあるのかな~と感じます。
1歳児のバイリンガル教育
日々の生活の95%くらいは日本語なので、少しでもスペイン語or英語に触れてほしいという思いから、幼児向け番組はスペイン語or英語のものを見せるようにしています。
メイン言語を日本語に設定しているとスペイン語の選択肢が出てこない(英・中・韓・ポルトガル語になる??)ようで、メイン言語をスペイン語にしたら少なくともNetflixオリジナルのアニメはスペイン語で観られるようになりました。
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が。
我が国が誇るNHKの幼児向け番組の恐ろしさよ・・・。
「いないいないばあっ!」をちょっと見たらあっという間に夢中に。昼も夜もいないいないばあっ!を見たがります。あの中毒性はなんなの・・・?
また、1歳半ごろから日本語優位が進んだのか、英語やスペイン語の番組を嫌がる日も。英語版トーマスは嫌がり、日本語吹き替えトーマスだと喜んで観る、といった日々もありました。
今後のバイリンガル教育についての考え
日本に住んで、母親が日本語を話し、日本語の学校に通ったら、完全に日本語のみになりそうだな・・・ということで、海外移住はいつも考えています。
移住するなら
移住先候補はいつもブレブレ。
アメリカ?
夫はIT系だし30代なので、「バリバリと最先端の経験を積めそうなところ」というと、今のところ英語圏の選択肢はアメリカ西海岸(というかシリコンバレー)。
スペイン語を話しているだけで不法移民扱いされたり、あまり知られていないけどアメリカの援助で親米的な軍事政権が建った時代があったり、国によってはアメリカから武力で侵攻された過去があったり・・・。
日本と比較した場合の治安の懸念や、シリコンバレーで高騰している家賃(家族で暮らすには"最低でも"30万円/月らしい)事情を考えると、夫的にはあまり積極的に住みたい国ではない模様。
ドイツ?
ヨーロッパだとIT関係者にとっては「ドイツのベルリン・オランダのアムステルダム」がアツいようです。
とはいえ問題はドイツ語・・・。友人の旦那さん(日本人)がベルリンのIT系企業に転職し、友人も育休を使って家族で2年ほど移住したのですが、英語が通じるとはいえメインはドイツ語でなかなか苦労した模様。英語よりロシア語が通じるシーンももあったりするそうな。
とはいえ、ベルリンは人口密度も程よいし、カルチャー的にもなかなか好きな街だな~と感じたので、住んでみたいな。
オランダ?
オランダは世界でも最もIT化が進んだ国の一つで、「欧州におけるIT企業のホットスポット」なんだそうです。あと、「世界で一番子供が幸せな国」で有名ですよね。いいな~。
オランダ語が英語と結構似ているという点(同じ西ゲルマン語族のドイツ語よりもさらに英語に近いらしい)からも、英語が結構通じると聞きました。
元・博報堂のクリエイターで保育士資格も取得し、現在はオランダ在住という異例の経歴の方のブログも時々読んでいます。
スペイン?
「IT盛んな国 < スペイン語の国」で考えるとスペインもいいのですが、私自身はマドリッドにはあまり住みたいとは感じませんでした。内陸地のせいか乾燥が激しく、風もドライヤーのように熱くて息苦しかった・・・。
海があって美しすぎるバルセロナに住みたいけど、バルセロナは学校で使う言語もカタルーニャ語らしいし、独立x2っていつも揉めてるけどどうなるのかなあ・・・。
アジア?
中国も今、IT人材を破格の給与でバンバン採用しているし、インドも超優秀な人がゴロゴロしてそうですが、夫婦共々、生活環境としては移住したいほどの魅力は感じず・・・。シンガポールは興味があります。ビザが厳しいらしいので受け入れてもらえるか謎だけど。
日本なら
スペイン語圏のハーフの悩みは、スペイン語/スペイン人学校がないことかと。
娘2人をフランス学校に通わせるアフリカ出身の元同僚曰く、スペイン人やイタリア人の子でフランス学校に来る子もけっこういるらしく、強くおすすめされます。
が、私も夫もフランス語は触れたこともないし、フランス語圏に住むこともなさそう。学校のお便りとかも全然分からないだろうな・・・。
その他は英語系のインターナショナルスクールですが、子供が最低でも2人になることが確定(Max3人も考えている)なので学費が厳しいかな。。。十数年に渡って「(年間200万円+α) x 子供の人数」の学費を払い続ける・・・??
ということで、若干消去法になってしまうけれど、日本なら「インターナショナルな環境の公立小学校」かなと。
そこで英語や他の言語が学べるとは全く期待していませんが、色々なバックグラウンドを持った子がいて、娘もマイノリティにならないところ・・・という点で考えています。
因みに「HAFU-ハーフ-」というドキュメンタリーは国際結婚カップル&バイリンガル教育について考えている親は見ておきたいかも。メキシコ人&日本人カップルの子供が出てくるのですが、公立小学校でいじめられたり、子供だけメキシコに送ったり、インターに入れたり、色々な可能性をまじまじと見せられます。
まとめ
そういうわけで、IT先進国orスペイン語圏、ということを考えると我が家の移住先候補は
- アメリカ西海岸
- ドイツ(ベルリン)
- オランダ(アムステルダム)
- スペイン
ということになりそう・・・?
日本に住むならインターナショナルな公立小学校に通わせることを検討です。
私自身は、どこに移住してもフリーランスで仕事が出来るように体制を整えておきたいなと思う次第です。
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