先日、映画「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。
有名ブロガーのちきりんさんによるとアカデミー賞受賞の期待も高い名作ということで行ってきました。
私が行ってきたのは品川の映画館。
映画館そのものはデート客etcで結構混んでたけど、「ドライブ・マイ・カー」は週末にも関わらずガラッガラ(汗)
お客さんは座席に対して10 %以下って感じでした。。。
そしてものすっごく平均年齢が高かった!
70代くらいの男性や女性もいるし、全体的に50代~60代くらいの映画ファンって感じの男性客が多め。

ネタバレしないように感想をつぶやいてみます。
西島秀俊と霧島れいかの色気がヤバい
あまりドラマを観ないので西島秀俊さんといえば、PanasonicのCMに出てる人っていう認識しかなかったのですが(すみません・・・)
引用:https://www.chunichi.co.jp/article/161060
50歳なの!?
色気やばくない??(語彙)
最近、私自身も自分の肌の変化(衰え)をちょっと感じたところだったのですが、西島秀俊さんの顔のシワは個性だなとすごく好意的に感じました。

そして、上半身裸の裸体にすんごい色気を感じた・・・卒倒。バタリ。
それもこれも適度に鍛えた筋肉と、若い人とは違う肌の質感ゆえ。
なんか肌が生々しいというか。。。
「人間」って感じがして、画面から体温を感じそうな気すらしました。
そして、妻の役の霧島れいかさんは49歳。
https://dmc.bitters.co.jp/
もうね、裸の後ろ姿の妖艶さ&美しさに言葉がない。
円熟みというか、若い女性のようなハリ感はないのですが、それがまた魅惑的で。
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「元々が美男美女だから」と言ってしまえば身も蓋もないのだけど、50歳前後の男女ってこんなに色気があるの?!とクラクラしてしまう画。
一部の俳優さんのセリフは(演出の関係だと思いますが)ほぼ棒読みで非常に淡々としている中で、2人の肉体の生々しさが言いようのない人間味を映画に与えているように感じました。
人知れぬ深い哀しみを癒やす映画
ブロガーのちきりんさんが「最後の30分くらいは何に泣いているのか分からないくらい涙が止まらなかった」と言っていて、ハンカチ持参で行きました。
が、私自身は涙は出ず。
でも、「泣かされるからいい映画、泣けないから大したことのない映画」とかそんなことはないんです。
私自身は大事な人の死を経験したことがなく、今は特に大きな苦しみもない状態。
なので観終わった後に感じたのは「私には哀しみの体験が足りないのかな」と考えました。
いや、「哀しみの体験が足りない」というより、今はこの映画に哀しみを癒やされるフェーズではなかった、ということ。
「癒やし」という言葉を使いましたが、別にヒーリング系ではないんです。
きっと、「苦しいのは私だけじゃないんだ」と苦しみを分かち合うことによる、救い。
耐え難い苦しみの中でも、「とにかく生きるしかない」というラストのシーンは魂を揺さぶられるような名演技で、目に焼き付いて離れません。
ポエティック(詩的)な作品
「ドライブ・マイ・カー」は押し付けがましいところがなく、とにかくポエティック(詩的)な作品だなと感じました。
ここで泣け~~~!!!とか、盛り上げてきたりガイドしてきたりすることがない。
感じることは、全て鑑賞者に委ねられている。
そのかわり、余白や余韻がふんだんにある作品でした。
映像美も素晴らしいのですが、これもまた「絶景ドヤー!!!」という感じではなく、少し引いて見るとものすごく計算されて切り取られた情景なのだと気がつく景色。
何度も同じところを繰り返してしまうレコード=同じことを繰り返し考えてしまって頭から離れないことの象徴、とか、映像と作品中の人物の感情を辿っていくのもまた余韻を楽しめます。
・・・とそんな感じがネタバレ無しの感想です。
50代の不倫から感じた「自分へのケチ」
もう一つ気がついたのは「私は主人公の妻のように浮気しないな。(なぜなら自分の身体に自信がないし)」という心の声。
デブだし、岡田将生?(作品中ではハッキリとはしない)みたいな若い男性に裸を晒すなんて無理だし、自分には魅力がないし、と。
・・・でも、考えてみたら、50歳近くても?過ぎても?不倫する女性っているんだ!?!?と。
考えてもみたら、身体のコンプレックスっていっぱいある。
目が小さい、一重、胸が小さい、胸が垂れてる、足が太い、O脚、ニキビ、シミetc・・・。
コンプレックスの一つで、自信を失う人はたくさんいる。
自分の美しさに自分でケチをつけることは多分この世の誰にでも可能で、モデルですら自分の容姿の中に不満を見つけることが出来る。
でも。
そんなこと、他人からみたら気が付かないか、良くも悪くもない、単なる個性としか思われていない可能性の方が高い。
今の私のこのままのメンタリティでいったら、どんなに美容を頑張ったとしても、50歳になったら今度は「私なんておばさんだし」と自分にケチをつける人間になる。。。そんな予感に気がついた。
勝手に「私なんて」と思いがちだけど、自分で自分の中の美しさを否定している限り、永遠に何かの枠の中から出ることが出来ない。
永遠に自分を縛り続けることになる。
ドライブ・マイ・カーの感想とは全然違うのだけど、そんなことを考えながら帰路につきました。